NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(筆者撮影)
Nikon Z6ii、NIKKOR Z 50mm f/1.2 S作例、トリミングあり、ISO 1250、f/1.3、1/3200sec(筆者撮影)、写真クリックで等倍表示
とろけるようなぼけ味、日本最高峰の神レンズと言われているNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを実際に購入し、実際に3ヶ月使って見た長期使用したレビュー。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを欲しいと思っている方、レンズを購入する前にこれ読んで。
先日ニコンプラザ東京に行った際に、デモ機としてNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを付けたNikon Z7iiが置いてあった。
デモ機のファインダー覗いてみると、事前に噂で聞いている通りとろけるようなぼけ味を見ることができた。NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは大きいという噂はYouTubeなどで聞いて知っていたが自分が触った印象では、「それほど大きくない」「ちょうど良い」さわり心地だった。
ニコンプラザ東京から家に帰った後も、あのぼけ味が忘れられず将来欲しいなと思っていたが、ネット検索するとどこも売り切れ、納期3ヶ月などとの表示がありますます欲しいと思うようになった。
そんなある日の金曜日の真夜中、ネット検索していると、在庫を見つけた。即納という。朝10時までに購入すると当日発送しますと書かれていた。
本当に在庫があるのだろうかと試しにカートに入れてみるとカートに入った。本当にあるのだろうかと商品数2でカートに入れてみると「カート内商品の数量が在庫数を超えています。」と表示された。ということは本当に1点は在庫あるんだなと思いつつサイトをよく見てみると、送料無料、クレジットカード利用可能とあり、価格も価格コムに掲載されている最低価格と同じ金額なので、思わずポチってしまった。
そして翌々日、商品が届いた。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sが入った段ボール箱
プチプチに包まれたNIKKOR Z 50mm f/1.2 S
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sの箱
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sの箱の中にはレンズ本体の他、説明書、保証書、袋が入っている
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sの入っている白い袋の中には保護シールが貼られたフードが付いていた
保護シールを取り除くと、完全に新品状態のNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sが見えた。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 SはMADE IN THAILANDである。日本製ではなく、タイ製である。シリアル番号は下4桁が3000番台後半である。ということはこのレンズはすでに3000本以上が出荷されているのだろうか。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sに使うために、NIKON ARCREST(アルクレスト)保護フィルターを同時購入した。
レンズのより良い描写を求めるために保護フィルターは使わないという人も居るが、筆者は表面の傷やレンズ保護のために、原則保護フィルターを使う。今回購入した保護フィルターは、片面表面反射率0.1%、ニコンの光学レンズと同等の素材を使い表面研磨されているという高級保護フィルター「NIKON ARCREST」を選択した。保護フィルターの価格は約15000円である。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sに保護フィルター、NIKON ARCREST(アルクレスト)保護フィルターを付けた。フィルターの枠は薄型である。
ニコン純正保護フィルターとのことなので、見ていて心地良い。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは大きいか?AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRを付けたZ6ii(FTZマウントアダプターを使用)の横に50mm f/1.2レンズを置いてみた。50mm f/1.2の大きさは70−200mm f/2.8よりも小さい。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sの作例、実写写真、サンプル。まずは購入直後に室内で撮影した写真がこちらだ。クリックするとオリジナルサイズの大きな写真が表示される。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、f/2.8、1/6秒、ISO 200、Z6ii、撮影距離は0.45m(最短撮影距離)
最短撮影距離0.45m付近で撮影。コントラストが高い部分でもパープルフリンジはほぼ見られない。。
背景が明るく逆光気味であるが、黒い箱は黒く表現されておりフレアは見らず、コントラストは高い。最大撮影倍率0.15倍のため、小さな商品撮影用レンズとしてマクロレンズの代わりに使えるレベルの高画質である
画像を100%拡大表示すると、外箱表面の微妙な凹凸も見事に表現されている。
箱の左側に書かれている文字は不自然な輪郭は見られず、二重線ぼけはなくどこまでも柔らかい。とろけるような柔らかさである。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、f/1.2、1/160秒、ISO 200、Z6ii、撮影距離は約1m、現像時に露出補正+1EV
撮影距離1m付近、絞り値をf/1.2で撮影。「NIKKOR」の「N」の文字のの左側にフォーカスを合わせたかったがAFを使って撮影したところ「I」の文字にフォーカスが合ってしまった。被写界深度は数mmとカミソリのように薄い。
箱に書かれた文字の左端にフォーカスを合わせたが、(画像をクリックして)100%拡大してもパープルフリンジは見られない。
文字の右へ行くほど後ぼけになるが自然な柔らかい後ぼけである。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S、f/1.2、1/125秒、ISO 200、Z6ii、撮影時に -2.3EV露出補正して撮影
撮影距離90cm程度、フォーカスが合った「Profoto」の文字はもちろん、文字周辺はProfotoストロボ表面の材質感を正しく表現できている。この写真がf/1.2で撮影したとは信じられない描写である。後ぼけが美しい。
撮影イメージを常にリアルタイムで確認しながら撮影できるのが(一眼レフと異なり)ミラーレスカメラの優れた点である。
前ぼけ、後ぼけともにとろけるように美しく二重線ぼけも見られない。周辺近くの直線もしっかりとまっすぐに表現されており歪曲収差は感じない。厳密に確認するとほんのわずかな糸巻き型収差があるようえあるが全く気にならない。
絞り開放f/1.2で撮影すると、わずかな周辺減光が見られるが不自然では無い。逆に写真中央にスポットライトが当てられたように見えるというメリットがある。
これら写真が絞り解放f/1.2で撮影されたとはとても思えないほど、クリアかつ精細に描写されている。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sでファインダーを覗いた時、目の前には「東京で雪が積もったの風景」を見た時のような感動が押し寄せて来た。
東京ではほとんど雪が積もらない。まともに雪が積もるのは10年に一度くらいである。だから東京で雪が積もった風景を見ると感動する。
朝、目が覚めて玄関のドアを開けるとそこが雪国だった時。あたり一面は無音の世界である。普段は大通りを通る車の音が遠くから聞こえるのに、全くの音がしない世界。そして真っ白な、見たことが無い世界が広がっている。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sの開放絞りでファインダーを覗くと前ボケ、後ボケの世界がとろけるように広がっている。
2重線ぼけや、ボケの輪郭も見えな美しいボケなのでそれは、雪が積もった朝の無音の世界、そして真っ白な世界のように美しい世界が目の前に広がる。
この感動を味わいたいから、きっと明日もNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sでファインダーを覗くだろう。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(筆者撮影)
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sの外装は金属製ではなく、その他の一般的なNIKKORレンズのように樹脂でできている。届いたレンズを最初に見た時は、外装がプラスチック製(樹脂製)だったので、25万円もするレンズなのにプラスチック製かとがっかりしたが、手元にある他のNIKKORレンズを見てみると全て同様の素材だったのでほっとした。
プラスチック製ではあるが、細かい梨地加工がされておりさわり心地は良い、と同時に鏡面加工と比較すると傷が目立たいというメリットがある。また、金属製ではないので、寒い場所で触っても冷たくなく、レンズの重さも金属製品と比べると軽くできるというメリットがある。
レンズ前方に付いているフォーカスリングはラバー製で幅広である。フォーカスリングが幅広なので、左手全体でフォーカスリングを回すことができ、しっかりとレンズを支えることができる。レンズ単体で約1kgと重量があるがレンズの鏡筒は太くフォーカスリングも幅広のためレンズを付けたZ6iiを持った印象では、重くない。ちょうど良い重さである。
フォーカスリングは適度な(軽めの)粘性がありスムースに回すことができる。フォーカスリングとレンズ内のフォーカス機構は機械的に(歯車では)つながっておらずフォーカスリングはくるくると何周も回すことができる。機械的につながっていないので、カメラ側の設定によりフォーカスリングの反応方向を逆向きに(キヤノン機の方向に)変更することも可能だ。
レンズ前方に付いている幅広のフォーカスリングはラバーでできており適度な(軽めの)粘性がありスムースに回すことができる。フォーカスリングとレンズ内のフォーカス機構は機械的に(歯車では)つながっておらずフォーカスリングはくるくると何周も回すことができる。
フォーカスリングは幅広のため、フードを逆さまに付けた状態でもフォーカスリングを回すことができる。通常撮影時にはフードを正常の方向に付けて撮影を行うが、突然目の前にシャッターチャンスが現れた時にフードをそのまま撮影する際も支障なくフォーカスリングを回すことができる。
無限遠から最短撮影距離0.45mまでのフォーカスリング回転角度はやく80度くらいである。
レンズ上部には小型の液晶ディスプレイが付いており、レンズの「DISP」ボタンを押すことにより情報を表示することができる。「DISP」ボタンを押すと「フォーカス指標+被写界深度指標」「絞り値表示」「表示OFF」の順番に切り替えることができる。
レンズ上面のディスプレイに「フォーカス指標+被写界深度」を表示させた状態でフォーカスリングを左右に回転させると、ほんの一瞬遅れてフォーカス指標表示が動く。若干ディレイしているのが少々気持ち悪いが、実際の撮影時にはオートフォーカスで撮影するため撮影上の支障は無いだろう。
ディスプレイの手前(ボディ側)には幅が狭いコントロールリングが付いている。デフォルトでは、フォーカスリングを回すことにより絞り値を変更することができる。
コントロールリングの回転、フォーカスリングの回転、ともにクリック感は無いので動画撮影時に絞り値を手動で変更する際も動画撮影に影響させることなくスムースに絞り値を変更することができる。
なお、コントロールリングの機能は「絞り」の他にボディ側の設定を変更することにより「絞り」「露出補正」「ISO感度」の変更リングに設定することができる。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 SのAF性能で素晴らしい点をご紹介。
Nikon Z6iiに(FTZマウントアダプター経由で)AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRを使った際は(Nikon D6やD850などの一眼レフ機と比較して)AF速度が遅いと感じていたが、NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを初めて触った時に、(思ったよりも)AF速度が早いと感じた。
とはいえ、D6やD850などのレフ機と比較するとAF速度が負けてしまうが、スポーツ撮影・動き物撮影以外の人物撮影、風景撮影、建築撮影、スナップ撮影、商品撮影などの分野なら十分以上のAF性能である。
ご存じかもしれないが、フォーカス一を変更する際に焦点距離が微妙に変化することをフォーカスブリージングと言う。
スチール撮影時にはフォーカスブリージングが写真に影響することはほぼ無いが、動画撮影を行う際には大きく影響する。
目の前の人物を動画撮影する際、人物が微妙に前後左右に動く時、フォーカスブリージングが発生するレンズを使うとフォーカスの変化の一緒に背景の大きさが微妙に大小変化してしまい見づらい映像になってしまう。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは、通常利用では全くフォーカスブリージングが発生しない。
動画撮影時に明るい(開放絞り値の大きい)レンズを欲しいと思うなら、NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは強くおすすめできるレンズである。
FマウントレンズのAF作動音と比較すると、NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは全くAF作動音がしないと言える程に静かである。
静かな室内で撮影する際は、小さな音で「ジジジ」との音が聞こえるが、騒がしい屋外で撮影する際はAF作動音は全く聞こえない。
動画撮影時には、AF作動音が無音に近いことが大きな強みとなる。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは開放絞り値がf/1.2と明るいの開放絞りで撮影すると被写界深度はカミソリのように薄い。
被写界深度が薄いから、(一眼レフと比べて)AFの正確なミラーレスカメラで、AF機能付きのNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを使えばレンズ性能を最大限生かすことができる。
同じ明るいレンズでもNIKKOR Z 58mm f/0.95 S NoctはMF専用レンズである(AF機能が付いていない)。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 SはAFレンズ。AF機能があるだけでありがたい。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sのボケ味を一言で表すと「とろけるように柔らかい」である。フォーカスが合った箇所はシャープなのに、前ボケ域、後ボケ域へいくにつれて、とろけるように柔らかくぼけていく。
2重線ボケがなく、ぼけの中に芯が無く、ぼけの色味も自然なため、とにかく柔らかく美しいボケ味なのだ。多くの後ぼけが発生する際もザワザワせず、写真全体を優しく柔らかく包んでくれる。
このとろけるようなボケは、以前筆者が所有していたレンズ「CONTAX N1 / Carl Zeiss Planar 50mm f1.4 T*」の柔らかいボケ味に似ている。CONTAX N1 / Carl Zeiss Planar 50mm f1.4 T*のボケ味もとろけるような柔らかいボケが特徴であったが、今回のNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sの方が自然な柔らかいボケ味である。
NIKON Zマウントレンズには本レンズの他にf/0.95の超絶明るいレンズNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctがあるがf/0.95レンズはMFレンズである(オートフォーカスが使えない)。
NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctは税別115万円であるが、NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは税別約28万円と1/4以下の価格で購入することができる。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sの実売価格は約25万円であり一眼レフレンズとして考えると高いと感じるかもしれない。
しかし、f/1.2という明るい絞り開放値ながらAFが使えるという性能、およびとろけるようなぼけ味と、パープルフリンジや歪曲収差がほぼない超高性能レンズであることを考えると25万円はバーゲン価格であると言える。
一眼レフレンズ、ミラーレスカメラレンズには様々な焦点距離のレンズが存在するが、その中でも50mmという焦点距離は標準レンズと呼ばれ人間の見た目に近い視野角であり使い勝手が良い。
最短撮影距離は0.45mとかなり近くまで寄れるため、被写体に近づいて広角レンズ風に撮影することもでき。また、ポートレート撮影など被写体から数m離れても明るい開放絞り値を生かして望遠レンズ風に使うこともできる。
開放絞り値f/1.2と明るいので室内撮影時にもISO感度を上げすぎずにシャッター速度を速めで撮影することができ、被写体ブレの確率を引く抑えることができるというメリットがある。
25万円という価格は高いと感じるかもしれないが、大三元レンズが一本30万円以上することを考えると、性能対価格で考えるとバーゲンプライスであると思うのは筆者だけだろうか。
たった25万円で、現代レンズ最高峰の神レンズと言われるNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを手に入れることができるのだ。
筆者はAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gも所有している。同レンズも焦点距離は58mmとほぼ標準レンズ域でありf/1.4と明るいレンズであるが、撮影した印象では、全くレベルが異なる。
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gも税別21万円と高額なレンズであるが、開放絞り域では柔らかいというか少し眠いというか、シャープではない。
今回購入したレンズ NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは、開放絞り域からフォーカスが合った箇所は驚くほどシャープでありながら、前ぼけ後ぼけへとなだらかにつながるぼけ味は二重線ぼけが無く、パープルフリンジも少なくとろけるように柔らかい描写だ。
50mmレンズを含む望遠レンズでは、24−70mm、24−200mmがある。Fマウントレンズではその他に24−85mm、24−120mmという焦点距離のズームレンズが存在する。Zレンズのロードマップには24−105mmのレンズを発売する予定とある。
24-70mm f/2.8なら、単焦点レンズの24mm、28mm、35mm、50mmに加えて中望遠域の70mmまでのレンズとして使うことができる。
そんな便利なズームレンズがあるのに、なぜ単焦点レンズを買う人がいるのだろうか。
それは、単焦点レンズでしか撮れない世界、単焦点レンズで手に入れられるスキルや感覚など、様々なメリットがあるからである。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは同じ焦点距離を持つズームレンズと比較すると圧倒的に高画質である。
ズームレンズと比べて少し高画質ではなく、信じられないくらい、圧倒的に高画質である。
実際に撮影してみた感覚であるが、周辺画質、フォーカスが合った箇所のシャープさ、歪曲収差などを見て全ての点でNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sが優れている。
単焦点レンズはズーム機構を持たない分レンズ設計が柔軟になり、その分高性能なレンズを開発できるからである。
24-70mm f/2.8、50mm f/1.2の開放絞り値を比較すると、f/1.2は絞り値2.5段分明るい。
絞り値が2.5段分明るいので、同じISO感度、ならシャッター速度2.5段分早いシャッター速度を使うことができるというメリットがある。
例えば、薄暗い室内撮影時に、f/2.8レンズでシャッター速度1/30なら、f/1.2ならシャッター速度を2.5段分早く1/180秒まで早いシャッター速度を使うことができる。
同じシャッター速度なら、ISO感度感度を2.5段分引く撮影できるので、より高画質な(高感度ノイズの少ない)写真を撮影できるというメリットがある。
50mmレンズは人間の目に近い画角であり標準レンズと呼ばれている。
50mmレンズなら、被写体に近づいて広角レンズのように使うこともでき、絞りを開放撮影して背景をぼかすことにより望遠レンズのように使うこともできる。
50mm単焦点レンズだから写る範囲を変更するためには、自らが前後に動いて撮影範囲を調整する必要がる。足を使って撮影するということである。
ズームに頼らずに自分の足を使って撮影することにより、50mmの感覚が身につく。撮影時の絞り値や構図をよく考えながら撮影するようになり、結果的に写真が上手になると言われている。
筆者は高校生時代に初めて一丸レフを購入した時、5年間は50mmレンズ一本で撮影を楽しんでいた。
だから、今でも50mmレンズが一番好きである。そんなこんなで50mm焦点域の単焦点レンズを13本も所有している。
写真が趣味なら、「撮って楽しい」というのは重要である。
仕事で撮影するなら、50mm単焦点レンズよりも24-70mmレンズの方が遙かに出番が多い。仕事で撮影するなら50mmレンズの出番はほぼ無い。
でも趣味で写真撮影が透きならば、「撮って楽しいレンズ」を選ぶのが良いと思う。
>NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sは、撮って楽しいレンズである。
本日NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを手に入れたばかりであるが、この神レンズを使って撮影することが楽しみである。
筆者は、通常の撮影業務ではスクールフォトや建築撮影を行っており、通常業務では本レンズの出番はほとんどなさそうである。しかしその中でも、まずは業務で使って見たいという場面は次の通りである。
雑誌やウェブ記事のインタビュー撮影時にNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sを使ってみたい。できれば柔らかい自然光が差し込む部屋で、背景の観葉植物をぼかしながら絞り値f/1.2で撮影してみたい。
スクールフォト撮影時に、暗い室内で午睡している園児をf/1.2で撮影することにより柔らかい寝顔を表現してみたい。
卒園アルバム用の人物撮影を行う際に、f/1.2のぼけ味を生かして人肌を柔らかく表現してみたい。
(2021/5/4追記)購入して3ヶ月が経過したが、現在の所もう手放せないレンズである。午睡撮影時には、開放絞りが明るいので暗い室内でもISO感度を上げすぎずに撮影することができる。また、ズームレンズと比較すると、開放絞り値が明るいので、開放絞り値近くで撮影することにより、被写体1名を浮かび上がらせるように撮影できる。ピントが合った箇所は驚くほどにシャープでありながら少し歯鳴れば箇所はやわかかく自然にぼけ味となる。人肌を柔らかく表現しながら、フォーカスが合ったまつげはシャープに写る。
一般的な建築写真撮影時に50mm f/1.2の出番はほとんど無いが、Airbnb写真撮影時に室内の小物などをイメージ撮影する際にf/1.2を使って明るく柔らかい写真を撮影してみたい。
カタログ写真撮影時には絞りをf/16くらいに絞って撮影することが多いが、f/1.2の柔らかいぼけ味を生かして商品のイメージ写真を撮影してみたい。
(2021/5/4追記)開放絞りf/1.2はフォーカス面がカミソリのように薄い。人物1名を撮影する場合、固めに目にフォーカスを合わせるとレンズの角度により、鼻や口がぼけるだけでなくもう一方の目までぼけてしまうほどにピント面が薄い。開放絞りで使うには技術やセンスが求められそうだ。
寝ている人物を斜め上などから撮影する際は、Nikon Z6iiの瞳フォーカスがうまく機能しない(将来改善して欲しい)ので、マニュアルフォーカスによる撮影となる。Nikon Z6iiはファインダーがとても見やすく、フォーカスピーキング機能も併用すれば、あまり動かない被写体に対してはマニュアルフォーカスでもピントの山をつかみやすい。
ペット撮影を行った際(本ページの先頭位置に作例あり)に、Nikon Z6iiの動物瞳フォーカスを使って見た。遠くから走って近づくミニチュアダックスフントを撮影してみたが、動物AFはあるていど機能するが、打率がそれほど良くない印象である。Nikon D6で動体撮影する際は、かなり不規則に被写体が動いたとしてもAF成功率95%以上であるが、Nikon Z6ii+50mm f/1.2で動体撮影すると、ヒット率は50%未満である。これは、ペット(ミニチュアダックスフント)の色によるものなのか、Nikon Z6iiの動体AF性能の限界によるものなのかは不明である。
2021年1月にNIKKOR Z 50mm f/1.2 S レンズを購入して3ヶ月が経過した。
その間、撮影業務ではもちろん、プライベートの撮影でも同レンズを使って見た。
一番の感想は、ボケが美しすぎる点である。そして、筆者が10本以上所有する標準(50mm)レンズの中でも圧倒的ナンバーワンレンズであるということ。この50mm f/1.2を使うためだけに、NIKON のミラーレスカメラを購入したとしても決して後悔しないだろうということである。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sについているコントロールリングは、デフォルトの絞りリングとして使っている。
しかし、撮影時に、ついコントロールリングに触れてしまい、コントロールリングが動いてしまい絞り値が変わってしまうことが度々発生する。
f/1.2で撮影しているつもりが、知らない間にコントロールリングが動いてしまい、気づいたらf/1.3やf/1.4などになってしまうのだ。
コントロールリングにクリック感が無く、触れたことに気づかないことも影響している。クリック感が無いのは、動画撮影にも対応するためとは思う。しかし、スチール撮影時にいつのまにかコントロールリングが動いてしまい、絞り値が変化しまうことを避ける方法がないものだろうか。
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