プロが教える、Nikon Z8のカスタマイズ方法

2023/5/27更新

プロが教える、Nikon Z8のカスタマイズ設定方法

Nikon Z8は、メニュー画面から操作することにより、様々な設定をユーザー好みにカスタマイズできる。

カスタマイズを行うことにより、自分の撮影スタイルに合わせてより使いやすくできるのがNikon Z8の魅力である。

筆者は、スクール写真、建築写真、イベント写真、商品写真、スポーツ写真などのジャンルで撮影業務を行う職業カメラマンである。

Nikon D3から始まり、D4、D6、D850、ミラーレスを導入した後は、Z9、Z6iiを使ってきた。 基本的に、世代が新しくなるほどカメラは進化し、そしてカスタマイズ設定内容も進化し続けてきた。

筆者は、Nikon Z9をメインカメラ、Nikon Z6iiD6、D850をサブカメラとして使っているが、2023年5月26日のNikon Z8発売に向けて早速 Nikon Z8を予約購入 した。

Nikon Z8を先行体験会で操作してみたところ、カメラの中身、メニュー操作内容、カメラの操作感はNikon Z9とほとんど同じだった。

そこで、Nikon Z9を1年半使ってきた中で、Nikon Z8ユーザーにおすすめカスタマイズ設定方法についてわかりやすく紹介する。

ニコンカメラには、大きく2系統のカスタマズ設定メニューが存在する

  1. ニコン一眼レフ、ハイアマチュア・フラッグシップ機
  2. Nikon D6、D5、D4、D850、Z9、Z8は同様の操作でカスタマイズできる。
  3. ニコンミラーレス、アマチュア機
  4. Nikon Z6ii、Z7ii、Z6、Z7は同様の操作でカスタマイズできる。

ニコンカメラは、上記2系統のカスタマイズ設定メニューがある(Nikon D6、D850、Z9、Z8はほぼ同じ操作、Z8とZ6iiは細かい点で操作が異なる)。

Nikon Z9とNikon Z6iiの両方を使用する筆者は、Nikon Z6iiのカスタマイズ設定がD6、D850、Z9とメニュー操作体系が似ているようで細部では異なり、自分の使い方を実現できないのでニコンプラザ東京に行った際にスタッフに尋ねてみたところ、

Nikon Z6iiのメニュー画面は、ニコンのコンパクトカメラ系の仕様を元に作られているので、D6、D850とは異なるんですよー

と教えてくれた。開発の元となった設計が異なるそうだ。

D6、Z9、Z8など、一眼レフ、ハイアマチュア、フラッグシップ機系のカスタマイズの特徴

D6、Z9、Z8など、一眼レフ、ハイアマチュア、フラッグシップ機系のカスタマイズの特徴は次の通りである。

  1. A、B、C、Dに設定を登録できる
  2. ABCDを呼び出した後に、露出モード(絞り優先、SS優先、マニュアルなど)を変更できる
  3. ABCDを呼び出した後に、設定変更すると、変更状態が現在のABCDの設定として記憶される
  4. ⇒ 電源をOFFすると、次に電源をONした際に、変更後の状態のまま(撮影中に、バッテリー節約のため電源をOFF/ONしても設定は変わらない)。

Z6ii、Z7iiなど、アマチュア機、エントリー機系のカスタマイズの特徴

Z6ii、Z7iiなど、アマチュア機系のカスタマイズの特徴は次の通りである。

  1. U1、U2、U3に設定を登録できる
  2. U1、U2、U3を呼び出した後に、露出モード(絞り優先、SS優先、マニュアルなど)を変更できない
  3. U1、U2、U3を呼び出した後に、設定変更すると、変更状態をU1、U2、U3として記憶されない
  4. ⇒ 電源をOFFすると、次に電源をONした際には、最初にU1、U2、U3に登録した内容に戻ってしまう(撮影中に、バッテリー節約のため電源をOFF/ONすると、設定が変わってしまう)。

Nikon Z8のカスタマイズの基本:ABCDに設定を登録する

Nikon Z8は、「MENU」ボタンを押すと左側のアイコンをセレクトすることにより次のカスタマイズを行うことができる。

静止画撮影メニュー (A、B、C、Dに設定を登録できる)
動画撮影メニュー(A、B、C、Dに設定を登録できる)
カスタムメニュー(A、B、C、Dに設定を登録できる)
再生メニュー
セットアップメニュー
ネットワークメニュー
マイメニュー

上記の中で、静止画撮影に関係したカスタマイズメニューは一番上の「静止画撮影メニュー」と「カスタムメニュー」だ。

筆者のカスタマイズ設定内容を紹介しながら、おすすめカスタマイズ設定方法について解説を行う。

A、B、C、Dに登録した設定を簡単に呼出し、切り換えを行える

静止画撮影中、動画撮影中に背面の「i」ボタンを押して「iメニュー」から設定(A、B、C、D)を選ぶことができる。

現在、「A、B、C、D」のどれを選んでいるかは、カメラ上面のサブ液晶に「A、B、C、D」の文字が表示されるので確認できる。 また、「iメニュー」を開くと現在「A、B、C、D」を選んでいるかを背面液晶、またはファインダー内でも確認できる。

普段良く使う設定を最大4種類までA、B、C、Dに割り当てよう

筆者は、A、B、C、Dに次の内容を登録している。

A、B、C、Dに(ローマ字で)名前も設定すると、「iメニュー」で選択時に名前が表示される。

A〜D名前内容
AEVENTスクールフォト、スポーツ撮影
BREAL ESTATE建築写真撮影
CGROUP PHOTO集合写真撮影
DPRODUCT商品撮影

例えば、「A」は、マニュアル露出、ISO感度自動制御⇒「OFF」、手ブレ補正⇒「SPT スポーツ」、スロット2の機能⇒「バックアップ記録」、RAW記録⇒「高効率★」など。

「B」は、(三脚を使うので)手ブレ補正⇒「OFF」、ブラケッティング設定、ISO感度=「200」、ISO感度自動制御⇒「ON、最大ISO 800まで」、スロット2の機能⇒「バックアップ記録」、RAW記録⇒「ロスレス圧縮」。

「C」は集合撮影のための設定。露出設定は、当日の現場の状況に応じて設定しておく、手ブレ補正⇒「OFF」、スロット2の機能⇒「バックアップ記録」、RAW記録⇒「ロスレス圧縮」。 イベント撮影現場では、イベントの合間の短時間に集合写真撮影を行うことがあり、事前に集合写真撮影場所の露出設定を「C」に登録しておくことにより、イベント撮影と集合写真設定を素早く切り換えることができる。

「D」は、(正方形で撮影するので)撮像範囲設定を「1:1(24x24)」、スロット2の機能⇒「バックアップ記録」、RAW記録⇒「ロスレス圧縮」、自社スタジオに露出設定を合わせてマニュアル露出で撮影する設定している。

上記以外にも各撮影目的に応じて細かなカスタマイズを行い「A〜D」に登録している。

例えば、翌日に建築撮影を行う場合は、前日の夜に「B」を呼び出ししておくことにより、設定ミス無く撮影を行うことができる。

カスタムメニュー設定も、撮影メニュー設定と同様に、「A〜D」にカスタマイズ設定を登録している。

静止画撮影メニュー、詳細設定

これ以下、静止画撮影メニューの詳細を説明する

静止画撮影メニューの拡張 ⇒ ON

撮影メニューの拡張⇒「ON」

撮影メニューの拡張⇒「ON」に設定すると、撮影メニュー(「A」〜「D」)ごとに露出の設定を記憶できる。

例えば、筆者のように「A」をスナップ撮影「C」を集合写真撮影用に設定すると、撮影メニュー「C」で集合写真撮影を行った後に、「A」でスナップ撮影を行い、再度「C」に設定すると「C」で設定していた露出情報が呼び出されるので便利だ。

撮影メニューの拡張⇒「ON」にすることにより、設定の異なる4台のカメラを持ち替えながら使っているような感覚で撮影できる。

静止画撮影メニュー ⇒ ファイル名設定

A、B、C、Dの各メニューのファイル名設定⇒「Z8A」「Z8B」「Z8C」「Z8D」を設定している。

ここで、ファイル名設定を行うことにより撮影した写真データのファイル名の先頭の3文字を自分の好きな文字列に設定できる(ニコンカメラのデフォルト値は「DSC」となっている)。

例えば、カスタムメニュー「C」で撮影すると、

Z8C_0001.NEF
Z8C_0002.NEF
Z8C_0003.NEF
:

のようにファイル名の先頭3文字が、ここで設定した3文字になる。

オリジナルな3文字に設定することにより、ファイル名を見ただけでどのカメラで撮影したかが分かるので何らかのファイル不具合が発生した時にどのカメラのどのカスタムメニューで撮影したをすぐに知ることができるというメリットがある。

また、数カメラマンが同じ現場で撮影した場合もファイル名が被ってしまう可能性を低くできる。

筆者は、使用するカメラ6台のファイル名設定を全て別々に設定している。 カメラ毎にファル名がユニークな値になり、撮影後のファイル整理時にファイル名を見ただけでどのカメラのどの設定(A〜D)で撮影したか分かると同時に、間違って同じファイル名で上書き保存されるミスも防ぐことができる(※ただし、1回の撮影で5000枚以上撮影した場合は、カメラ内で同一ファイル名になる場合もある)。

複数カメラを所有している方なら、それぞれのカメラを別々の3文字に設定することをおすすめする。

静止画撮影メニュー ⇒ スロット2の機能

スロット2の機能⇒「バックアップ記録」

「バックアップ記録」に設定することにより、2枚のカードスロットに同じファイルを記録でき、万が一メモリーカードトラブルで読み出しできなかったり、誤って消してしまった際などに、もう1枚のメモリーカードに撮影データが残っているというメリットがある。

ダブルスロットにバックアップ記録することにより、万が一のデータ消失リスクを最小限に抑えることができる。

なお、まれに、当日納品の現場で撮影する際は、スロット2の機能⇒「RAW+JPEG分割記録」に設定し、納品サイズに合わせてJPGの品質を設定し、撮影終了後にスロット2のSDカードを納品する。

その他、スロット1にRAWデータ、スロット2にJPGデータを記録したり、またはスロット1にサイズLのJPG、スロット2にサイズSのJPGなど異なるサイズのJPGファイルを同時に記録する設定も可能だ。

関連記事: ダブルスロットのメリット、デメリットを徹底検証

静止画撮影メニュー ⇒ 撮像範囲

撮像範囲⇒撮像範囲設定⇒「FX(36x24)」
撮像範囲⇒DXクロップ警告表示⇒「ON」

ただし、撮影メニューの管理「D(商品撮影用で使用)」のみ、

撮像範囲⇒撮像範囲設定⇒「1:1(24x24)」

にしている。商品写真は、正方形で使うことが多いため。

静止画撮影メニュー ⇒ 画質モード

画質モード⇒「RAW」

筆者は、全ての写真をRAW記録し、通常の撮影では撮影後にAdobe LrCで現像を行い適切なサイズのJPGファイルを出力するという業務フローで撮影を行うので、画質モードは「RAW」のみ保存する設定にしている。

JPGの方が使い勝手が良いという方は、RAW+JPG、またはJPGのみの設定でも良いだろう。

ちなみに画質モードの選択項目は次の通りである。選択肢の中で「★」が表示されるものは「画質優先」という意味である「★」が付かない(サイズ優先)よりも「★」が付く画質優先の方が写真データは大きくなる。

画質モード説明
RAW+FINE★RAW+高品質JPG(画質優先)
RAW+FINERAW+高品質JPG(サイズ優先)
RAW+NORMAL★RAW+標準JPG(画質優先)
RAW+NORMALRAW+標準品質JPG(サイズ優先)
RAW+BASIC★RAW+低品質JPG(画質優先)
RAW+BASICRAW+低品質JPG(サイズ優先)
RAWRAWのみ
FINE★高品質JPG(画質優先)
FINE高品質JPG(サイズ優先)
NORMAL★標準品質JPG(画質優先)
NORMAL標準品質JPG(サイズ優先)
BASIC★低品質JPG(画質優先)
BASIC低品質JPG(サイズ優先)

メモリーカードに余裕があるならRAWデータも記録しておくことをおすすめする

JPGデータは1ピクセル当たり、Red、Green、Blueの各色を8ビット(0〜255の値)で表現するが、RAWデータは各色14bit記録となっており、各色0〜16383の値で記録する。

RAWデータは、JPGデータと比較すると各色の輝度が寄り細かなデータで記録されており、撮影後の写真の露出補正や、色温度変更を行っても現像を行うことにより高品質なJPGデータに書き出すことができる。

RAWデータはデータ量が多い分、ファイルサイズも大きくなる。ロスレス圧縮RAW記録すると、写真1枚あたり、60メガバイト程度のファイルサイズになる。

今はJPGデータだけがあれば十分という方も、せっかく高品質なRAWデータを記録できる高性能なZ8を持っているなら、ぜひRAWデータも記録しておくことをおすすめする。

RAWデータで記録することにより、露出ミスによりほとんど真っ暗に撮影してしまった写真からも写真全体の快調を蘇らせることができる。

静止画撮影メニュー ⇒ RAW記録

RAWデータの圧縮率を指定するメニュー項目である。

初期設定値は「高効率★」となっているが、筆者は「高効率★」設定で使っている。

「RAW記録メニュー」で選択可能項目は次の通りである。

RAW記録ファイルサイズの目安説明
ロスレス圧縮約51.6MBファイルサイズが大きくなるが最高品質
高効率★約32.6MB品質優先、サイズを節約
高効率約21.1MBサイズ優先

「高効率」の選択は、Nikon D6、D850、Z6ii、Z7iiでは選択肢が無く、Nikon Z9、Nikon Z8に搭載されている機能である。ロスレス圧縮よりもサイズが小さくなるというメリットがある。

Nikon Z8は4571万画素の高画素機のため、写真データは巨大になる(ロスレス圧縮RAWで約51.6MB)、写真データサイズを抑えつつ、撮影後に広い範囲で調整できる高効率★がおすすめだ。

Nikon Z9の「高効率★」の設定で40万枚以上撮影したが、通常イベント撮影、スポーツ撮影で写真品質が気になることは一度も無かった。

最高品質の写真納品が求められる不動産撮影、商品撮影時には「ロスレス圧縮」を使っている。

筆者は、650GBのCFexpressカード+512GBのSD(UHS−II)を2枚差しで使っているので、ロスレス圧縮で約10000枚弱の写真を記録できる。

メモリーカードの容量が少ない場合、撮影枚数の目安が多い場合は高効率★、高効率を使うことによりメモリ容量を有効活用できるだろう。さらにメモリーカードの容量を節約したい場合は、RAW記録を行わずにJPEG記録すれば良い。

静止画撮影メニュー ⇒ ISO感度設定

ISO感度⇒「何でもOK」(撮影中に、簡単に変更可能なため)

ISO感度は、撮影時にシャッターボタン近くの「ISOボタン」を押しながらメインダイヤルを回すことにより簡単に変更できる。メニュー設定では何を設定しておいても良い。

Nikon D4s以前のフラッグシップ機は、(撮影中に操作する)「ISOボタン」がカメラ背面の左下にあったので撮影中のISO感度変更が面倒だったが、Nikon D5以降のフラッグシップ機はシャッターボタン近くに「ISOボタン」が配置されたので撮影中にファインダーを覗いたまま素早くISO感度変更できるようになった。

プロカメラマンなら、感度自動制御⇒「OFF」

筆者は(シャッター速度優先や、絞り優先でなく)マニュアル露出撮影することが多く、ISO感度を手動で変更することにより明るさを調整している。

ミラーレスカメラであるNikon Z8は、マニュアル露出撮影を行う際に撮影後の露出状態を確認できるので、暗いと思ったらISOを上げる、明るすぎるならISOを下げるという操作を素早く行いながらマニュアル露出撮影を行うことができる。

感度自動制御⇒「ON」にすると、ISO感度による明るさ調整が効かない(自動的に明るさ補正されてしまう)ので、ISO感度制御は「OFF」にして使っている。

なお、不動産撮影を行う際のみ、感度自動制御⇒「ON」、制御上限感度⇒「800」にしている。

初心者なら、感度自動制御⇒「ON」

なお、写真撮影初心者の方なら感度自動制御⇒「ON」がおすすめだ。ISO感度自動設定にすることにより、露出ミスによる失敗を防ぐことができる。

静止画撮影メニュー ⇒ アクティブD-ライティング

アクティブD-ライティング⇒「オート」

アクティブD-ライティングを設定することにより、白飛び、黒つぶれを防いでくれる。

静止画撮影メニュー ⇒ 長秒時ノイズ低減

長秒時ノイズ低減⇒「OFF」

建築写真撮影時など、長秒露光時に「ON」にしておくと撮影に時間がかかってしまうため(例)ONにすると、15秒露出で、撮影=15秒、ノイズ低減処理に15秒程度の約2倍の時間がかかってしまう)。

なお、撮影後に、Adobe LrC(Lightroom)を使うことにより、ノイズを除去を活用することにより、高感度撮影時、長秒撮影時のノイズを効果的に取り除くことができる。

静止画撮影メニュー ⇒ 静止画フリッカー低減

静止画フリッカー低減⇒「ON」

体育館で撮影時など、フリッカー低減撮影を「ON」することにより、フリッカー(写真上に縞々模様が現れる)を防ぐことができる。

ただし、静止画フリッカー低減を「ON」にすると高速連続撮影時に若干撮影速度が遅くなることがある。

なお、(フリッカーの発生しない)屋外の自然光で撮影する際は、静止画フリッカー低減⇒「OFF」にする。マイメニューに「静止画フリッカー低減」を登録することにより、マイメニューから素早くフリッカー低減機能を「ON」「OFF」切り換えできる(操作詳細は後述)。

静止画撮影メニュー ⇒ フォーカスモード

フォーカスモード⇒「AF−C コンティニュアスAF」

筆者は人物スナップやスポーツ写真などの動き物を撮影することが多いので、AF-C(コンティニュアスAF)で撮影している。

建築写真撮影時には、(マニュアルフォーカスレンズを使用するので)マニュアルフォーカスで撮影し、商品撮影時には(三脚を使わずに)手持ち撮影を行うことが多いのでAF-C(コンティニュアスAF)で撮影している。

風景写真や、三脚を使った静物撮影やマクロ撮影を行う方ならAF-S(シングルAF)で撮影するのも良いだろう。

撮影中は、「フォーカスモードボタン」を使って「フォーカスモード」を切換できる

なお、撮影中は、(レンズ取り外しボタンの近くにある)フォーカスモードボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回すことにより、フォーカスモードを素早く変更することができる。

Nikon D6、D850などのフラッグシップ機、ハイアマチュア機もNikon Z9と同様に、レンズ取り外しボタンの近くにフォーカスモードボタンがあるが、Nikon Z6ii、Z7iiなどのミラーレス機にはフォーカスモードボタンがついていない(ファンクションボタンに割り当てることができる)。

静止画撮影メニュー ⇒ AFエリアモード

AFエリアモード⇒「3Dートラッキング」

Nikon Z8の「3DートラッキングAF」は非常に優秀なので動き物撮影時には非常に便利な機能である。

ニコンの一眼カメラでは、Nikon D6、D850などの一眼レフ機、フラッグシップミラーレスカメラのNikon Z9には3DートラッキングAF機能が付いているが、Nikon Z6ii、Z7iiなどのミラーレス機には、3DートラッキングAFに似ている「ターゲット追尾AF」があるが、3DートラッキングAFとターゲット追尾AFは動作が異なり、3DートラッキングAFの方が圧倒的に使い勝手が良い。

スナップ撮影、スポーツ撮影などの動体撮影が多い筆者は「3Dートラッキング」を使うことが多いが、場面、競技によっては、ワイドエリアAF(C1)、(C2)を切り換えて使用する。

撮影中は、「フォーカスモードボタン」を使って「AFエリアモード」を切換できる

撮影中は、(レンズ取り外しボタンの近くにある)フォーカスモードボタンを押しながらサブコマンドダイヤルを回すことにより、フォーカスエリアモードを素早く変更することができる。

フォーカスモードボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回せばフォーカスモードを切換、フォーカスモードボタンを押しながらサブコマンドダイヤルを回せばAFエリアモードを切り換える動作は、撮影中に良く使う機能である。

ちなみに、カメラボディーにフォーカスモードボタンがついていないNikon Z6iiを使う場合は、フォーカスモードの切り換えをファンクションボタンに割り当てて使っていた。

静止画撮影メニュー ⇒ AF時の被写体検出設定

AF時の被写体検出設定⇒「人物」

筆者は、建築写真撮影以外のほとんどの撮影対象が人物のため、AF時の被写体検出設定⇒「人物」にしている。

筆AF時の被写体検出設定⇒「人物」に設定することにより、3Dートラッキング利用時も、フォーカスポイントの近くにある人物の顔や瞳を自動検出して被写体を自動追尾し続けることができる。

「人物」に設定すると、フォーカスポイント近くの人物にフォーカスポイントが引っ張られてしまうので、例えば、背景にこちらを見ながら応援する人物がこちらを向いて並んでいる時に、目の前を横向きに走る人物にフォーカスを合わせたい時に、正面を向いている背景の人物にフォーカスが引っ張られてしまうことがあるので注意が必要だ。

必要に応じて、「人物」設定をON/OFFしながら撮影を行う。撮影中は、フォーカスモードボタンを押しながらサブコマンドダイヤルを回すことにより被写体検出するかどうかを素早く切換できる。

初心者の方、または様々な被写体を撮影する方なら「オート」に設定もおすすめ

AF時の被写体検出設定⇒「オート」に設定すると、人物、動物、乗り物をカメラが自動認識して被写体にフォーカスを合わせることができる。

静止画撮影メニュー ⇒ 手ブレ補正

手ブレ補正⇒「SPT スポーツ」

筆者は動き物を撮影することが多いので手ブレ補正モードを「SPT スポーツ」に設定して撮影を行う。

ただし、三脚にカメラを乗せて集合写真撮影を行う際は、手ブレ補正モードをOFFにして撮影する。三脚撮影時に手ブレ補正モードをON(ノーマル)、またはSPT(スポーツ)に設定して撮影すると、撮影の度に微妙に手ブレ補正機能が働き、複数撮影した写真の構図がほんの僅かに変わってしまうので注意が必要だ。

撮影中は、「iボタン」を使って手ブレ補正機能設定を変更できる

撮影中は、「iボタン」を使って手ブレ補正機能設定を変更できる(iメニュー設定が初期設定の場合)。

カスタムメニュー ⇒ a.オートフォーカス

a1.AF-Cモード時の優先、a2.AF-Sモード時の優先

a1.AF-Cモード時の優先⇒「フォーカス/レリーズ」
a2.AF-Sモード時の優先⇒「フォーカス」

イベント撮影、スナップ撮影時にはタイミングよりも、フォーカスが合っていることが優先されるので原則「フォーカス」に設定している。

「フォーカス」に設定することにより、シャッターボタンを押すと、フォーカスを合わせた後にシャッターが切られる。

ちなみに、「レリーズ」優先にすると、フォーカスが合っていなくても、その瞬間にシャッターを切ることができる。

AF-Cモード時には、最初の1コマを「フォーカス」優先、2コマ目以上の連続撮影時に「タイミング」優先で撮影するために「フォーカス/タイミング」を使っている。

a9.フォーカスモードの限定

a9.フォーカスモードの限定⇒「コンティニュアスAF」

筆者は、通常撮影時にはAF-Cのみを使うので「コンテニュアス」に限定している。

フォーカスモードを限定設定することにより、撮影時にフォーカスモードを切り換える際に不用意に異なるフォーカスモードに切り替わってしまうことを防げる。

なお、フォーカスモードを限定設定している場合も、iボタンをおしてiメニューからフォーカスモードをAF-S、AF-C、MFに切り換えることができる。

a11.フォーカスポイント表示

AF-Cモード時の合焦表示⇒「ON」

「ON」に設定することにより、合焦時にフォーカスポイントが白色から緑色に変わる。

Nikon D6、D850などのニコン一眼レフのフォーカスポイントは明るい赤色表示で見やすかったが、Nikon Z9、Nikon Z6iiなどのミラーレス機では、フォーカスポイントが白色表示になり、背景が白い場面でフォーカスポイントを見失うことがあったが、合焦時に緑色表示になる設定にすることにより、フォーカス確認できると同時にフォーカスポイントを見失ってしまう可能性を下げることができる。

なお、Nikon Z9はファームウェアアップにより、フォーカスポイントの色を白、赤から選択できるようになった。Nikon Z8のフォーカスポイントの色も変更できる。

a12.内蔵AF補助光の照射設定

内蔵AF補助光の照射設定⇒「OFF」

薄暗い場所でAF機能を使う際に、カメラボディから緑色の光を発光させてフォーカス合わせしやすくする機能である。

筆者は、「OFF」に設定している。薄暗い場所で午睡する園児を撮影することもあり、相手に気付かれないよう静かに撮影するために、AF補助光はつねに「OFF」に設定している。

a13.フォーカスピーキング

フォーカスピーキング⇒「ON」

マニュアルフォーカス時にピントが合っている部分の輪郭を色付きで表示できる。既定値の色は赤色、赤色以外の色にも設定可能。

薄暗い場所や開放絞り値の明るいレンズを使って撮影する際に、より精密なフォーカスを行うためにマニュアルフォーカスを使うことがある。

Nikon Z8は、レンズをAF設定にしていても、フォーカスリングを手動で回すとマニュアルフォーカスを行うことができる。

Nikon Z8のEVFは非常に見やすいのでフォーカスピーキングを使わなくてもMF操作できるが、フォーカスピーキング設定を行うことにより、狙った箇所にフォーカスが合っていることを素早く確認できる。

カスタムメニュー ⇒ b.露出・測光

b4.マルチパターン測光の顔検出

b4.マルチパターン測光の顔検出⇒「ON」

測光モードが[マルチパターン測光]の場合、カメラが人物の顔を認識したときに顔の明るさに合わせて露出を決定するかどうかを選べる。

例えば、シャッター速度優先、ISO感度自動設定など、自動露出設定を行っている際に、室内スナップ撮影時に逆光により人物の顔が暗く写りそうな時も、b4.マルチパターン測光の顔検出を「ON」に設定しておくことにより、シャッターを半押しした1秒後くらいに、すーっと顔が明るくなり、顔が適正露出になる露出に自動露出が行われるという面白い機能である。

Nikon D6、D850、Z6iiなど、過去の一眼カメラでは無かった機能である。Nikon Z9にも搭載されている機能である。

Nikon D6で室内撮影時に自動露出設定すると窓際でこちらを向いた人物を撮影する際に逆光になり、顔が暗くなってしまうことを防ぐために、その都度露出補正を行ったり、またはマニュアル露出を行う必要があったが、Nikon Z8のb4.マルチパターン測光の顔検出機能を使えば逆光撮影時にも自動的に人物が適正露出で撮影できるので露出ミスによる撮影ミス確率を大きく下げることができる。

カスタムメニュー ⇒ d.撮影・記録・表示

d6.撮影範囲設定の限定

d6.撮影範囲の設定の限定⇒「FX、DX」

筆者は「1:1、16:9」を使わないのでチェックを外している。なお、商品撮影時に「1:1」を使用するので、商品撮影用のカスタムメニューでは「1:1」を選択できる設定にしている。

使用する撮影範囲のみにチェックを入れておくことにより、誤った操作で撮影範囲を変更してしまう操作ミスを防ぐことができる。

d7.連番モード

d7.連番モード⇒「OFF」

連番モードを「OFF」にすると、メモリーカード内に(フォーマット直後で)写真が存在しない時、または、記録フォルダを変更した時に、ファイル名の連番数字が「0001」から始まる。

連番モードを「ON」にすると、メモリーカード内に(フォーマット直後で)写真が存在しない時も、前回撮影時の最終連番の次の番号からファイル名が生成される。

筆者は1日の撮影で1500〜3000枚程度撮影することが多く、撮影中にファイル名を見ただけでその日何枚撮影したか把握しやすくするために連番モードを「OFF」にしている。

また、メモリーカード内に写真データを残したまま翌日の撮影を行う際は、記録フォルダの連番をカウントアップさせることにより、新しい記録フォルダに写真データを保存=ファイル名の連番数字が「0001」から始まる設定にしている。

メモリーカードからPCに写真データを転送する際は、Nikon純正のViewNX-iを使うことにより(カスタマイズにより)、転送先のPC上のファイル名を「yymmdd_<連番>_<元のファイル名>.jpg」というファイルに変更しながら転送する設定にしている(PC上でファイル名を見ただけでいつ撮影した写真か、その日撮影した写真のユニーク番号、どのカメラで撮影したか、そのカメラで何枚目に撮影した写真かが分かる)。

カスタムメニュー ⇒ f.操作

f2.カスタムボタンの機能

ボディー前面のカスタムボタンに良く使う機能をセットすることにより、使い勝手が格段に良くなる。筆者は次の設定を行っている。

f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒Fn1ボタン⇒「再生」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒Fn2ボタン⇒「操作のロック」 【おすすめ設定】
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒AF-ONボタン⇒「AF-L」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒L-Fnボタン⇒「拡大画面との切り換え」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒Fn3ボタン⇒「再生」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒DISPボタン⇒「ライブビュー情報表示の切り替え」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒動画撮影ボタン⇒「プレビュー」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒レンズのコントロールリング⇒「設定しない」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒OKボタン⇒「フォーカスポイント中央リセット」

f2.カスタムボタンの機能(再生)⇒Fn1ボタン⇒「拡大画面と切り換え」
f2.カスタムボタンの機能(再生)⇒Fn2ボタン⇒「音声メモ」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒DISPボタン⇒「DISP」
f2.カスタムボタンの機能(再生)⇒Fn3ボタン⇒「撮影に戻る」
f2.カスタムボタンの機能(再生)⇒OKボタン⇒「拡大画面と切り換え」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒動画撮影ボタン⇒「OFF」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒レンズのコントロールリング⇒「設定しない」

Fn2ボタンには、「操作のロック」を割り当てている。筆者は、マニュアル露出モードで撮影することが多く、不用意にシャッター速度や絞り値を変更させてたく無い時に、「Fn2」を押しながらメインコマンドダイヤルを回すことによりシャッター速度をロック/解除、「Fn2」を押しながらサブコマンドダイヤルを回すことにより絞り値をロック/解除、「Fn2」を押しながらマルチセレクターを押すことによりフォーカスポイントの場所をロック/解除するために使用する。

筆者が使用するNikon Z9、Z8、Z6ii、D6、D850の全てのカメラでFn2に「操作のロック」を割り当て、カメラが変わっても同じ操作でロックできる設定にしている。

背面液晶を見ながら撮影する時など、コマンドダイヤルには触れないつもりでいても、ちょっと指が触れてしまいダイヤルが回ってしまうとシャッター速度、絞り値が変化してしまうため、それを防ぐために、Fn3ボタンを使って、シャッター速度、絞り値を素早くロック/解除できるので便利である。

AF-ONボタンに、筆者は「AF-L(AFロック)」機能を割り当てている。これはちょっと特殊な使い方かも知れないが、「AFポイントでフォーカス合わせを行い、AFロックした後に構図を変えて撮影する」という、昔からの一眼レフ撮影での筆者のクセがありそれに対応するために割り当てている。

L-Fnボタンには「拡大画面との切り換え」を割り当てている。NIKKOR Z 50mm f/1.2 SNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sを使う際に、精密にフォーカス合わせしたい時に素早く拡大/拡大解除を行うためにL-Fnボタンに機能割り当てしている。

L-Fnボタンとは、ZマウントレンズのS-Lineレンズに付いているレンズファンクションボタンに機能を割り当てる機能である。

レンズのコントロールリングは「設定しない」にしている。以前、露出やISO感度に設定して使ったこともあったが、Nikon Zマウントレンズのコントロールリングはクリック感が無いので(動画撮影時は有利だが)静止画撮影中に誤ってレンズコントロールリングに触れてしまい、知らない間に露出やISO感度が微妙に変わってしまうことがあったので、現在はレンズのコントロールリング⇒「設定しない」に設定している。

動画撮影ボタンには「プレビュー」を割り当てている。Nikon Z8にクリップオンストロボを装着してストロボの電源をONにした時は、露出の暗すぎ・明るすぎに関わらずファインダー内は、適正露出で表示される設定にできるが(集合写真撮影の時に使用する)、動画撮影二割り当てた「プレビュー」ボタンを押すことにより、フラッシュを光らせない状態での明るさを確認することができる。

Fn1(撮影)⇒「再生」、Fn1(再生)⇒「拡大画面と切り換え」に割り当てているので、撮影中に、Fn1ボタンを1回押すと再生、Fn1を2回押すと再生写真を拡大表示できる。フォーカスチェックを行いたい時などに便利である。

Fn1(撮影)⇒「再生」、Fn2(再生)⇒「音声メモ」に割り当てているので、撮影中に、Fn1ボタンを押して撮影写真を表示した後(再生ボタンを使ってもOK)に、Fn2ボタンで音声メモを追加できる。撮影中に、素早く音声メモしたい際に便利な機能である。なお、Nikon D6やNikon Z9などのフラッグシップ機は音声メモ専用ボタンが付いていたがNikon Z8に音声メモボタン、音声メモ専用マイクは付いていない、筆者のように、ファンクションボタンに「音声メモ」を割り当てて使うことはできる。ビデオ撮影用のマイクを使って音声メモできるようだ。音声メモを記録すると、写真データと同じフォルダ内に、写真データと同じファイル名で拡張子が「.WAV」のファイルに音声が記録される。WindowsやMacで「.WAV」ファイルをダブルクリックすると音声メモを再生できる。

マイメニュー設定のカスタマイズ

よく使用する機能をマイメニューに登録することにより、撮影中に特定機能を素早く呼び出すことができる。

筆者は、次の項目をマイメニューに設定している。

なお、マイメニュー、またはマイメニューの一番上の項目をファンクションボタンに割り当てることができる。ファンクションボタンに割り当てることにより、ワンボタンを押すだけで指定したメニューを呼び出すこともできる。

電子音

撮影中に素早くシャッター音をON/OFF切換するために使っている。

通常の撮影は無音撮影で行うことが多いが、屋外のスポーツ撮影時などで連写する際は、撮影タイミングを自分に知らせるために電子音をONして撮影することもある。

d8ビューモード設定(静止画Lv)

ここでは、次の項目を選択できる。筆者は、集合写真撮影、スナップ撮影を行う際に切り換えて使う。

「撮影設定を優先(フラッシュ使用時を含む・含まない)」: 日中シンクロを行う際に「撮影設定を優先(フラッシュ使用時を含む)」に設定することにより、スピードライト使用時にも、(プレビューボタンを押さなくても)ファインダーで地明かりを確認することができる。

見やすさを重視: マニュアル露出を行う際に、暗い場面でも明るく表示される(ファインダー内で露出確認するには不便)。集合写真撮影時にフラッシュの強さ、露出設定を終えた状態で、撮影時にファインダー内を見やすくしたい際に使用

AF時の被写体検出設定

ここでは、次の項目を選択できる。

オート
人物
動物
乗り物
飛行機
しない

通常は、「人物」に設定して使用するが、場面によっては、撮影したい被写体の億の人物にAFが引っ張られるのを防ぎたい時などに、「しない」に設定する。素早く切り換えるために、マイメニューに登録して使っている。

例えば、

  1. 卒業式の証書授与の際
  2. ステージ上から撮影する際に、授与される人物の奥に見える担任の先生の目力が強いときに、メイン被写体でなく、奥の人物にAFが合ったりAFが迷ってしまったりすることがあるので、緊急時に素早く切り換えたい。
  3. 運動会、体育祭撮影時
  4. 横方向に走る人物を撮影中に、走る人物の奥にこちらを向いて応援する人物がいる際に、奥の(正面を向いている)人物にAFが合う、AFが迷ってしまうことがあるので、緊急時に素早く切り換えたい。

といった時に、撮影の流れを止めずに素早く設定切り換えするために筆者はマイメニューに登録している。

その他の手法としては、カスタマイズのA、B、C、DにAF時の被写体検出設定を変えた設定を登録しておき、ファンクションキーなどでA、B、C、Dを切り換える、という手法もあるようだ。

静止画フリッカー低減

通常は「ON」にして撮影を行うが、屋外撮影時には静止画フリッカー低減⇒「ON」にした方が、シャッターの切れが良くなるので、室内撮影・屋内撮影を行ったり来たりして撮影する際に、素早く切り換えたいことがあるため。

自然光の元、屋外で撮影を行う際にフリッカー低減機能⇒「ON」にした状態の場合、シャッターボタンを押した後にシャッターが切れるまでにほんの僅かな(気にならない程度の)遅れが感じられることがある。

もし、Nikon D6やD850で撮影していた時と比較すると、シャッターの切れが悪い(反応が悪い)と感じる場合は、静止画フリッカー低減⇒「OFF」になっているか確認するのが良いだろう。

電池チェック

現在のバッテリーで何枚撮影したかを素早く確認するため。

カメラ上面のサブ液晶や、写真撮影時に、何枚撮影したかの数字に似たような数字を確認できるが、メモリーカード内の撮影枚数が5000枚を超えるとクリアされてしまい、現在の電池の撮影枚数とは異なる表示が行われるため。

Nikon Z8は、バッテリー1本で通常のスナップ撮影であれば1000〜2000枚程度撮影できる。

撮影現場によっては、納品枚数の目安が決められており(例えば、1時間当たり300枚など)、その目標数字と実際に撮影した枚数を比較しながら撮影を行うために、電池チェック機能を使用することが良くある。

タイムゾーンと日時

撮影前に、複数カメラ、複数カメラマンが使用するカメラの時刻合わせを行う(写真を販売する際に、タイムスタンプ順に並べた際にイベントの進行順に写真を並べるため)。

Nikon Z9は、GPSによる自動時刻合わせ機能が付いていた(ONにして使っていた)が、Nikon Z8にはGPS機能が搭載されておらず、手動で時刻合わせを行うために、すぐに呼出できるようマイメニューに登録している。

なお、一眼カメラの時計はそれほど正確ではなく、1週間時刻合わせを行わないと数秒時計がずれてしまうことがある。数秒のズレであれば複数カメラの時刻がずれていても影響は少ないかも知れないが、イベント撮影時には、ほぼ必ず、複数カメラの時刻合わせを行うようにしている(特に、複数カメラマンで撮影に入る際は必須)。

電源OFF時のセンサーシールド

電源OFF時のセンサーシールドのON/OFFについて。通常は、電源OFF時のセンサーシールド⇒「ON」にした状態で撮影するが、撮影前にセンサーごみが確認できた際は、レンズを取り外してブロアーで軽く吹く、それでもセンサーごみが取れない場合は自分でセンサークリーニングを行う。

その際、センサーシールドをOPENにした状態にするが、設定メニューから選択するよりも、マイメニューから設定変更した方が早いため、マイメニューに登録して使っている。

d17撮影画面カスタマイズ(画面モニター)

d18撮影画面カスタマイズ(ファインダー)

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