Nikon Z9(筆者撮影)
Nikon Z9は、メニュー画面から操作することにより、様々な設定をユーザー好みにカスタマイズできる。
カスタマイズを行うことにより、自分の撮影スタイルに合わせてより使いやすくできるのがNikon Z9の魅力である。
筆者は、スクール写真、建築写真、イベント写真、商品写真、スポーツ写真などのジャンルで撮影業務を行う職業カメラマンである。
Nikon D3、D4、D6などのフラッグシップカメラを中心に、ニコンのカメラを長く使って来たが、撮影業務の道具として使うために様々なカスタマイズを行うことができる。
そして、ニコンのフラッグシップカメラの中でも世代が新しくなるほどカメラは進化し、そしてカスタマイズ設定内容も進化し続けてきた。
これまでNikon D6をメインカメラ、Nikon D850、Nikon Z6iiをサブカメラとして使って来たが最近は撮影業務においてもNikon Z9をメインカメラとして活用しつつある。
Nikon Z9を1ヶ月使ってきた中でおすすめカスタマイズ設定方法についてわかりやすく紹介する。
Nikon Z0は、「MENU」ボタンを押すと左側のアイコンをセレクトすることにより次のカスタマイズを行うことができる。
静止画撮影メニュー (A、B、C、Dに設定を登録できる)
動画撮影メニュー(A、B、C、Dに設定を登録できる)
カスタムメニュー(A、B、C、Dに設定を登録できる)
再生メニュー
セットアップメニュー
ネットワークメニュー
マイメニュー
上記の中で、静止画撮影に関係したカスタマイズメニューは一番上の「静止画撮影メニュー」と「カスタムメニュー」だ。
筆者のカスタマイズ設定内容を紹介しながら、おすすめカスタマイズ設定方法について解説を行う。
撮影メニューの拡張⇒「ON」
撮影メニューの拡張⇒「ON」に設定すると、撮影メニュー(「A」〜「D」)ごとに露出の設定を記憶できる。
例えば、筆者のように「A」をスナップ撮影「C」を集合写真撮影用に設定すると、撮影メニュー「C」で集合写真撮影を行った後に、「A」でスナップ撮影を行い、再度「C」に設定すると「C」で設定していた露出情報が呼び出されるので便利だ。
撮影メニューの拡張⇒「ON」にすることにより、設定の異なる4台のカメラを持ち替えながら使っているような感覚で撮影できる。
A、B、C、Dのメニューに、 ファイル名設定⇒「Z9A」「Z9B」「Z9C」「Z9D」を設定している。
ここで、ファイル名設定を行うことにより撮影した写真データのファイル名の先頭の3文字を自分の好きな文字列に設定できる(ニコンカメラのデフォルト値は「DSC」となっている)。
筆者は、使用するカメラ6台のファイル名設定を全て別々に設定している。 カメラ毎にファル名がユニークな値になり、撮影後のファイル整理時にファイル名を見ただけでどのカメラで撮影したか分かると同時に、間違って同じファイル名で上書き保存されるミスも防ぐことができる(※ただし、1回の撮影で5000枚以上撮影した場合は、カメラ内で同一ファイル名になる場合もある)。
オリジナルな3文字に設定することにより、複数カメラマンが同じ現場で撮影した場合もファイル名が被ってしまう可能性を低くでき、またファイル名を見ただけでどのカメラで撮影したかが分かるので何らかのファイル不具合が発生した時にどのカメラの不具合であるかもすぐに知ることができるというメリットもある。
複数カメラを所有している方なら、それぞれのカメラを別々の3文字に設定することをおすすめする。
スロット2の機能⇒「バックアップ記録」
ダブルスロットにバックアップ記録することにより、万が一のデータ消失リスクを最小限に抑えることができる。
その他、スロット1にRAWデータ、スロット2にJPGデータを記録したり、またはスロット1にサイズLのJPG、スロット2にサイズSのJPGなど異なるサイズのJPGファイルを同時に記録する設定も可能だ。
関連記事: ダブルスロットのメリット、デメリットを徹底検証
画質モード⇒「RAW」
筆者は、全ての写真をRAW記録し、通常の撮影では撮影後にAdobe LrCで現像を行い適切なサイズのJPGファイルを出力するという業務フローで撮影を行うので、画質モードは「RAW」のみ保存する設定にしている。
ちなみに画質モードの選択項目は次の通りである。
画質モード | 説明 |
---|---|
RAW+FINE★ | RAW+高品質JPG(画質優先) |
RAW+FINE | RAW+高品質JPG(サイズ優先) |
RAW+NORMAL★ | RAW+標準JPG(画質優先) |
RAW+NORMAL | RAW+標準品質JPG(サイズ優先) |
RAW+BASIC★ | RAW+低品質JPG(画質優先) |
RAW+BASIC | RAW+低品質JPG(サイズ優先) |
RAW | RAWのみ |
FINE★ | 高品質JPG(画質優先) |
FINE | 高品質JPG(サイズ優先) |
NORMAL★ | 標準品質JPG(画質優先) |
NORMAL | 標準品質JPG(サイズ優先) |
BASIC★ | 低品質JPG(画質優先) |
BASIC | 低品質JPG(サイズ優先) |
JPGデータは1ピクセル当たり、Red、Green、Blueの各色を8ビット(0〜255の値)で表現するが、RAWデータは各色14bit記録となっており、各色0〜16383の値で記録する。
RAWデータは、JPGデータと比較すると各色の輝度が寄り細かなデータで記録されており、撮影後の写真の露出補正や、色温度変更を行っても現像を行うことにより高品質なJPGデータに書き出すことができる。
RAWデータはデータ量が多い分、ファイルサイズも大きくなる。ロスレス圧縮RAW記録すると、写真1枚あたり、60メガバイト程度のファイルサイズになる。
今はJPGデータだけがあれば十分という方も、せっかく高品質なRAWデータを記録できる高性能なZ9を持っているなら、ぜひRAWデータも記録しておくことをおすすめする。
RAWデータで記録することにより、露出ミスによりほとんど真っ暗に撮影してしまった写真からも写真全体の快調を蘇らせることができる。
RAWデータの圧縮率を指定するメニュー項目である。
初期設定値は「高効率★」となっているが、筆者は「高効率★」設定で使っている。
「RAW記録メニュー」で選択可能項目は次の通りである。
RAW記録 | ファイルサイズの目安 | 説明 |
---|---|---|
ロスレス圧縮 | 約55.1MB | ファイルサイズが大きくなるが最高品質 |
高効率★ | 約33.0MB | 品質優先、サイズを節約 |
高効率 | 約22.0MB | サイズ優先 |
「高効率」の選択は、Nikon D6、D850、Z6ii、Z7iiでは選択肢が無く、Nikon Z9、Nikon Z8に搭載されている機能である。ロスレス圧縮よりもサイズが小さくなるというメリットがある。
Nikon Z9で「高効率★」の設定で40万枚以上撮影したが、通常イベント撮影、スポーツ撮影では品質が気になることは一度も無かった。
最高品質の写真納品が求められる不動産撮影、商品撮影時には「ロスレス圧縮」を使っている。
筆者は、650GBのCFexpressカードを2枚差しで使っているので、ロスレス圧縮で10000枚以上の写真を記録できる。
CFexpressカードの容量が少ない場合、撮影枚数の目安が多い場合は高効率★、高効率を使うことによりメモリ容量を有効活用できるだろう。
ISO感度は、撮影時にシャッターボタン近くの「ISOボタン」を押しながらメインダイヤルを回すことにより簡単に変更できる。メニュー設定では何を設定しておいても良い。
Nikon D4s以前のフラッグシップ機は、(撮影中に操作する)「ISOボタン」がカメラ背面の左下にあったので撮影中のISO感度変更が面倒だったが、Nikon D5以降のフラッグシップ機はシャッターボタン近くに「ISOボタン」が配置されたので撮影中にファインダーを覗いたまま素早くISO感度変更できるようになった。
筆者は(シャッター速度優先や、絞り優先でなく)マニュアル露出撮影することが多く、ISO感度を手動で変更することにより明るさを調整している。
ミラーレスカメラであるNikon Z9は、マニュアル露出撮影を行う際に撮影後の露出状態を確認できるので、暗いと思ったらISOを上げる、明るすぎるならISOを下げるという操作を素早く行いながらマニュアル露出撮影を行うことができる。
感度自動制御⇒「ON」にすると、ISO感度による明るさ調整が効かない(自動的に明るさ補正されてしまう)ので、ISO感度制御は「OFF」にして使っている。
なお、写真撮影初心者の方なら感度自動制御⇒「ON」がおすすめだ。ISO感度自動設定にすることにより、露出ミスによる失敗を防ぐことができる。
アクティブD-ライティング⇒「オート」
アクティブD-ライティングを設定することにより、白飛び、黒つぶれを防いでくれる。
長秒時ノイズ低減⇒「OFF」
建築写真撮影時など、長秒露光時に「ON」にしておくと撮影に時間がかかってしまうため(例)ONにすると、15秒露出で、撮影=15秒、ノイズ低減処理に15秒程度の約2倍の時間がかかってしまう)。
なお、撮影後に、Adobe LrC(Lightroom)を使うことにより、ノイズを除去を活用することにより、高感度撮影時、長秒撮影時のノイズを効果的に取り除くことができる。
静止画フリッカー低減⇒「ON」
体育館で撮影時など、フリッカー低減撮影を「ON」することにより、フリッカー(写真上に縞々模様が現れる)を防ぐことができる。
ただし、静止画フリッカー低減を「ON」にすると高速連続撮影時に若干撮影速度が遅くなることがある。
なお、ライブ撮影時などのLED照明による高周波フリッカーには、2022年1月現在未対応である。今後Nikon Z9のファームウェアアップにより高周波フリッカー低減に対応することが期待されている。
フォーカスモード⇒「AF−C コンティニュアスAF」
筆者は人物スナップやスポーツ写真などの動き物を撮影することが多いので、AF-C(コンティニュアスAF)で撮影している。
建築写真撮影時には、(マニュアルフォーカスレンズを使用するので)マニュアルフォーカスで撮影し、商品撮影時には(三脚を使わずに)手持ち撮影を行うことが多いのでAF-C(コンティニュアスAF)で撮影している。
風景写真や、三脚を使った静物撮影やマクロ撮影を行う方ならAF-S(シングルAF)で撮影するのも良いだろう。
なお、撮影中は、(レンズ取り外しボタンの近くにある)フォーカスモードボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回すことにより、フォーカスモードを素早く変更することができる。
Nikon D6、D850などのフラッグシップ機、ハイアマチュア機もNikon Z9と同様に、レンズ取り外しボタンの近くにフォーカスモードボタンがあるが、Nikon Z6ii、Z7iiなどのミラーレス機にはフォーカスモードボタンがついていない(ファンクションボタンに割り当てることができる)。
AFエリアモード⇒「3Dートラッキング」
Nikon Z9の「3DートラッキングAF」は非常に優秀なので動き物撮影時には非常に便利な機能である。
ニコンの一眼カメラでは、Nikon D6、D850などの一眼レフ機には3DートラッキングAF機能が付いているが、Nikon Z6ii、Z7iiなどのミラーレス機には、3DートラッキングAFに似ている「ターゲット追尾AF」があるが、3DートラッキングAFとターゲット追尾AFは動作が異なり、3DートラッキングAFの方が圧倒的に使い勝手が良い。
撮影中は、(レンズ取り外しボタンの近くにある)フォーカスモードボタンを押しながらサブコマンドダイヤルを回すことにより、フォーカスエリアモードを素早く変更することができる。
フォーカスモードボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回せばフォーカスモードを切換、フォーカスモードボタンを押しながらサブコマンドダイヤルを回せばAFエリアモードを切り換える動作は、撮影中に良く使う機能である。
AF時の被写体検出設定⇒「人物」
筆者は、建築写真撮影以外のほとんどの撮影対象が人物のため、AF時の被写体検出設定⇒「人物」にしている。
筆AF時の被写体検出設定⇒「人物」に設定することにより、3Dートラッキング利用時も、フォーカスポイントの近くにある人物の顔や瞳を自動検出して被写体を自動追尾し続けることができる。
「人物」に設定すると、フォーカスポイント近くの人物にフォーカスポイントが引っ張られてしまうので、例えば、背景にこちらを見ながら応援する人物がこちらを向いて並んでいる時に、目の前を横向きに走る人物にフォーカスを合わせたい時に、正面を向いている背景の人物にフォーカスが引っ張られてしまうことがあるので注意が必要だ。
必要に応じて、「人物」設定をON/OFFしながら撮影を行う。撮影中は、フォーカスモードボタンを押しながらサブコマンドダイヤルを回すことにより被写体検出するかどうかを素早く切換できる。
AF時の被写体検出設定⇒「オート」に設定すると、人物、動物、乗り物をカメラが自動認識して被写体にフォーカスを合わせることができる。
手ブレ補正⇒「SPT スポーツ」
筆者は動き物を撮影することが多いので手ブレ補正モードを「SPT スポーツ」に設定して撮影を行う。
ただし、三脚にカメラを乗せて集合写真撮影を行う際は、手ブレ補正モードをOFFにして撮影する。三脚撮影時に手ブレ補正モードをON(ノーマル)、またはSPT(スポーツ)に設定して撮影すると、撮影の度に微妙に手ブレ補正機能が働き、複数撮影した写真の構図がほんの僅かに変わってしまうので注意が必要だ。
撮影中は、「iボタン」を使って手ブレ補正機能設定を変更できる(iメニュー設定が初期設定の場合)。
a1.AF-Cモード時の優先⇒「フォーカス/レリーズ」
a2.AF-Sモード時の優先⇒「フォーカス」
イベント撮影、スナップ撮影時にはタイミングよりも、フォーカスが合っていることが優先されるので原則「フォーカス」に設定している。
「フォーカス」に設定することにより、シャッターボタンを押すと、フォーカスを合わせた後にシャッターが切られる。
ちなみに、「レリーズ」優先にすると、フォーカスが合っていなくても、その瞬間にシャッターを切ることができる。
AF-Cモード時には、最初の1コマを「フォーカス」優先、2コマ目以上の連続撮影時に「タイミング」優先で撮影するために「フォーカス/タイミング」を使っている。
a9.フォーカスモードの限定⇒「コンティニュアスAF」
筆者は、通常撮影時にはAF-Cのみを使うので「コンテニュアス」に限定している。
フォーカスモードを限定設定することにより、撮影時にフォーカスモードを切り換える際に不用意に異なるフォーカスモードに切り替わってしまうことを防げる。
なお、フォーカスモードを限定設定している場合も、iボタンをおしてiメニューからフォーカスモードをAF-S、AF-C、MFに切り換えることができる。
AF-Cモード時の合焦表示⇒「ON」
「ON」に設定することにより、合焦時にフォーカスポイントが白色から緑色に変わる。
Nikon D6、D850などのニコン一眼レフのフォーカスポイントは明るい赤色表示で見やすかったが、Nikon Z9、Nikon Z6iiなどのミラーレス機では、フォーカスポイントが白色表示になり、背景が白い場面でフォーカスポイントを見失うことがあったが、合焦時に緑色表示になる設定にすることにより、フォーカス確認できると同時にフォーカスポイントを見失ってしまう可能性を下げることができる。
なお、フォーカスポイントの色は変更できない。将来のファームウェアのアップデートにより、フォーカスポイントの色、合焦時の色を変更できるようになれば嬉しい。
なお、Nikon Z9はファームウェアアップにより、フォーカスポイントの色を白、赤から選択できるようになった。Nikon Zのフォーカスポイントの色も変更できる。
内蔵AF補助光の照射設定⇒「OFF」
薄暗い場所でAF機能を使う際に、カメラボディから緑色の光を発光させてフォーカス合わせしやすくする機能である。
筆者は、「OFF」に設定している。薄暗い場所で午睡する園児を撮影することもあり、相手に気付かれないよう静かに撮影するために、AF補助光はつねに「OFF」に設定している。
フォーカスピーキング⇒「ON」
マニュアルフォーカス時にピントが合っている部分の輪郭を色付きで表示できる。既定値の色は赤色、赤色以外の色にも設定可能。
薄暗い場所や開放絞り値の明るいレンズを使って撮影する際に、より精密なフォーカスを行うためにマニュアルフォーカスを使うことがある。
Nikon Z9は、レンズをAF設定にしていても、フォーカスリングを手動で回すとマニュアルフォーカスを行うことができる。
Nikon Z9のEVFは非常に見やすいのでフォーカスピーキングを使わなくてもMF操作できるが、フォーカスピーキング設定を行うことにより、狙った箇所にフォーカスが合っていることを素早く確認できる。
b4.マルチパターン測光の顔検出⇒「ON」
測光モードが[マルチパターン測光]の場合、カメラが人物の顔を認識したときに顔の明るさに合わせて露出を決定するかどうかを選べる。
例えば、シャッター速度優先、ISO感度自動設定など、自動露出設定を行っている際に、室内スナップ撮影時に逆光により人物の顔が暗く写りそうな時も、b4.マルチパターン測光の顔検出を「ON」に設定しておくことにより、シャッターを半押しした1秒後くらいに、すーっと顔が明るくなり、顔が適正露出になる露出に自動露出が行われるという面白い機能である。
Nikon D6、D850、Z6iiなど、過去の一眼カメラでは無かった機能である。
Nikon D6で室内撮影時に自動露出設定すると窓際でこちらを向いた人物を撮影する際に逆光になり、顔が暗くなってしまうことを防ぐために、その都度露出補正を行ったり、またはマニュアル露出を行う必要があったが、Nikon Z9のb4.マルチパターン測光の顔検出機能を使えば逆光撮影時にも自動的に人物が適正露出で撮影できるので露出ミスによる撮影ミス確率を大きく下げることができる。
d6.撮影範囲の設定の限定⇒「FX、DX」
筆者は「1:1、16:9」を使わないのでチェックを外している。
使用する撮影範囲のみにチェックを入れておくことにより、誤った操作で撮影範囲を変更してしまう操作ミスを防ぐことができる。
d7.連番モード⇒「OFF」
連番モードを「OFF」にすると、メモリーカード内に(フォーマット直後で)写真が存在しない時、または、記録フォルダを変更した時に、ファイル名の連番数字が「0001」から始まる。
連番モードを「ON」にすると、メモリーカード内に(フォーマット直後で)写真が存在しない時も、前回撮影時の最終連番の次の番号からファイル名が生成される。
筆者は1日の撮影で1500〜3000枚程度撮影することが多く、撮影中にファイル名を見ただけでその日何枚撮影したか把握しやすくするために連番モードを「OFF」にしている。
また、メモリーカード内に写真データを残したまま翌日の撮影を行う際は、記録フォルダの連番をカウントアップさせることにより、新しい記録フォルダに写真データを保存=ファイル名の連番数字が「0001」から始まる設定にしている。
メモリーカードからPCに写真データを転送する際は、Nikon純正のViewNX-iを使うことにより(カスタマイズにより)、転送先のPC上のファイル名を「yymmdd_<連番>_<元のファイル名>.jpg」というファイルに変更しながら転送する設定にしている(PC上でファイル名を見ただけでいつ撮影した写真か、その日撮影した写真のユニーク番号、どのカメラで撮影したか、そのカメラで何枚目に撮影した写真かが分かる)。
ボディー前面のカスタムボタンに良く使う機能をセットすることにより、使い勝手が格段に良くなる。筆者は次の設定を行っている。
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒Fn1ボタン⇒「再生」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒Fn2ボタン⇒「撮影メニュー切り換え」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒Fn3ボタン⇒「操作のロック」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒AF-ONボタン⇒「AF-L」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒L-Fnボタン⇒「拡大画面との切り換え」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒動画撮影ボタン⇒「プレビュー」
f2.カスタムボタンの機能(撮影)⇒レンズのコントロールリング⇒「設定しない」
Fn3ボタンには、「操作のロック」を割り当てている。筆者は、マニュアル露出モードで撮影することが多く、不用意にシャッター速度や絞り値を変更させてたく無い時に、「Fn3」を押しながらメインコマンドダイヤルを回すことによりシャッター速度をロック/解除、「Fn3」を押しながらサブコマンドダイヤルを回すことにより絞り値をロック/解除、「Fn3」を押しながらマルチセレクターを押すことによりフォーカスポイントの場所をロック/解除するために使用する。
背面液晶を見ながら撮影する時など、コマンドダイヤルには触れないつもりでいても、ちょっと指が触れてしまいダイヤルが回ってしまうとシャッター速度、絞り値が変化してしまうため、それを防ぐために、Fn3ボタンを使って、シャッター速度、絞り値を素早くロック/解除できるので便利である。
AF-ONボタンに、筆者は「AF-L(AFロック)」機能を割り当てている。これはちょっと特殊な使い方かも知れないが、「AFポイントでフォーカス合わせを行い、AFロックした後に構図を変えて撮影する」という、昔からの一眼レフ撮影での筆者のクセがありそれに対応するために割り当てている。
L-Fnボタンには「拡大画面との切り換え」を割り当てている。NIKKOR Z 50mm f/1.2 SやNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sを使う際に、精密にフォーカス合わせしたい時に素早く拡大/拡大解除を行うためにL-Fnボタンに機能割り当てしている。
L-Fnボタンとは、ZマウントレンズのS-Lineレンズに付いているレンズファンクションボタンに機能を割り当てる機能である。
動画撮影ボタンには「プレビュー」を割り当てている。Nikon Z9にクリップオンストロボを装着してストロボの電源をONにした時は、露出の暗すぎ・明るすぎに関わらずファインダー内は、適正露出で表示される(ファームアップにより、ON/OFFできるようになった)。筆者は日中シンクロでストロボを弱く当てながら撮影することが多くあり、被写体の明るさが変わった場面では、プレビューを確認しながらベースの露出設定を行った上で、ストロボを弱くマニュアル発光させることにより被写体の顔を明るく撮影する。
その他カスタムメニュー設定については後日追記予定。乞うご期待
静止画撮影メニューおよび動画撮影メニューの設定内容を撮影メニュー「A」「B」「C」「D」の4通り記憶でき、[撮影メニューの管理]で切り換えることができる機能である。
筆者は、A、B、C、Dに次の内容を登録している。
A〜D | 名前 | 内容 |
---|---|---|
A | EVENT | スクールフォト、スポーツ撮影 |
B | REAL ESTATE | 建築写真撮影 |
C | GROUP PHOTO | 集合写真撮影 |
D | PRODUCT | 商品撮影 |
例えば、「A」は、マニュアル露出、ISO感度自動制御⇒「OFF」、手ブレ補正⇒「SPT スポーツ」など。「B」は、手ブレ補正⇒「OFF」、ISO感度=「200」、ISO感度自動制御⇒「ON」、手ブレ補正⇒「OFF」。「C」は、露出設定は、現地の状況に応じて事前設定しておく、手ブレ補正⇒「OFF」。「D」は、自社スタジオに露出設定を合わせて設定している。
上記以外にも各撮影目的に応じて細かなカスタマイズを行い「A〜D」に登録している。
例えば、翌日に建築撮影を行う場合は、前日の夜に「B」を呼び出すことにより、設定ミス無く撮影設定することができる。
また、イベント撮影現場では、イベントの合間の短時間に集合写真撮影を行うことがあり、事前に集合写真撮影場所の露出設定を「C」に登録しておくことにより、イベント撮影と集合写真設定を素早く切り換えることができる。
カスタムメニュー設定も、撮影メニュー設定と同様に、「A〜D」にカスタマイズ設定を登録している。
よく使用する機能をマイメニューに登録することにより、撮影中に特定機能を素早く呼び出すことができる。
筆者は、マイメニューのトップ項目にセットアップメニュー⇒「電子音」を登録している。撮影中に素早くシャッター音をON/OFF切換するために使っている。
なお、マイメニュー、またはマイメニューの一番上の項目をファンクションボタンに割り当てることができる。ファンクションボタンに割り当てることにより、ワンボタンを押すだけで指定したメニューを呼び出すこともできる。
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