Nikon D6、グループエリアAFが有能過ぎる件【Nikon D6 レビュー】

2021/5/5更新

Nikon D6、グループエリアAFが有能過ぎる件

Nikon D6はニコン史上最強のAF性能と言われており（※メーカーサイトに記載）、その中でも飛び道具的な機能がグループエリアAFである。

グループエリアAF機能を使うと、全105ポイントのフォーカス点から縦一列、横一列など特定のAFエリア形状を17種類の中から選んでAFエリアとすることが可能になる。

Nikon D6 グループエリアAFのエリア

選んだAFエリア形状は、C1、C2の2種類を記憶して撮影中に簡単に切り替えできる（ボディ前面のAFモードボタンを押しながら、右手人差し指でサブコマンドダイヤルを回すことによりAFエリアを切り替え可能）。また、マルチセレクターを上下左右することにより、グループエリアAFの位置を上下左右に動かすことができる。

グループエリアAFで顔認識機能が使える

AFエリア設定項目の中に、「a9.グループエリアAF時の顔認識」でON/OFFの項目がある。グループエリアAF時に顔認識をONにすると、選んだグループエリアAFの中に顔が存在する場合は顔に優先的にフォーカスが合う。

筆者が、グループアリアAFの有能さを認識したのが、保育園のかけっこ撮影時にゴール地点正面から撮影を行った時だ。グループエリアを横5〜7x縦3に設定して、エリアの位置をファインダー内上位置にセットすることにより、次の効果を実感できた。

ゴールテープの上にフォーカスポイントが横方向にフォーカスエリアがあるので写真内にゴールテープが見える状態で子ども達にフォーカスが合う。グループエリア内の一番手前の子どもにフォーカスが合う。グループエリア内に顔がある場合は顔にフォーカスが合う。さらに、連写することにより（ここでは10コマ/秒に設定した）、4人が走るうちの2〜3人が空中に浮いた状態の写真など、決定的な瞬間（売れる写真）を多く撮影することができた。

さらに、おすすめ設定は、「a3.AFロックオン」設定の「横切りへの反応」を敏感側の2に設定することにより、1位の子どもがゴールしてグループエリア内からはずれるとすぐに2位の子どもにフォーカスが移り2番手、3番手の子どもの姿も撮影することができた。

オートエリアAFとの違い

オートエリアAFにするとフォーカスエリア内の意図しない位置、手前にフォーカスが合うことがあり、ゴールテープやゴール地点でテープを持っている先生にフォーカスが合ってしまうことがあるが、グループエリアAF機能を使うことにより、ゴールに向かって走る子ども達に正確にフォーカスを合わせることができた。

シングルポイントAFとの違い

シングルポイントAFを使い、フォーカスを合わせたい子どものおなか（中央）位置にフォーカスポイント合わせてAFを狙うの比べると、グループエリアAFなら特に意識せずにゴールテープを上下中央位置で構えて、ゴールテープの上に横方向グループエリアAFポイントを持ってくるだけで確実に、簡単に子ども達に、正確にフォーカスすることができる。

シングルポイントAFを使うのとは簡単さが段違いである。Nikon D6を使うだけで、誰でも決定的瞬間を撮影することができるという、カメラ性能のありがたさを実感した、保育園運動会の撮影であった。

その他スポーツ撮影にも欠かせない、グループエリアAF

マラソン大会を撮影する際、シングルポイントAFを使うと中央にフォーカスポイントをセットしたままこちらに向かってくる選手のおなか位置にフォーカスポイントを合わせて、上下の余白を頭一つ分くらい空けてリズム良く撮影を行っていた。

グループエリアAF機能を使うと、カメラを縦位置に構えて、縦5〜11×横1にグループエリアを設定して撮影することにより、より正確にフォーカス合わせを行えるだろう。

野球試合撮影時には、レンズは180-400mm、グループエリアを横5×縦3に設定して、バッターを撮影しつつ、そのまま1塁まで走る場面を正確に狙うことができた。外野にボールが飛んだ時も同じAFエリアのまま、レンズを最大560mm（内蔵テレコンを利用）まで長くして1塁側から、レフトの選手がボールをキャッチして投げるまで正確にAFを合わせることができた。横切りへの反応を敏感側の2に設定することにより、ランナー、野手を良いタイミングでAFポイント変更しながら決定的瞬間を撮影できた。

スポーツ撮影には欠かせない、グループエリアAF

子どものかけっこから本格的なスポーツ競技撮影まで、グループエリアAFを一度使ったらもうシングルポイントAFには戻ることができない。スポーツ撮影にはニコンD6を圧倒的におすすめする。

グループエリアAF使用時の注意点

様々な場面でグループAFを使用してきたが、1点注意すべき事項がある。それは、顔認識機能と併用する際の動作だ。

Nikon D6は、グループAFを使用する際も、顔認識機能を使うことができる。

顔認識機能を使った際に、背景の顔に引っ張られて手前の被写体がぼけてしまう例が何度か発生した。

背景に応援する人が並んで座り顔がカメラ側を向いていおり、その応援者の前をかっけっこする人物が横向きに走るという場面で、横5×縦3などのグループエリアAFを使って横方向に走り抜けていく複数人物にAFを合わせたいという時。

走る人物は、グループエリア枠の中に入っており応援者よりも手前に居るので走る人にフォーカスが合うことを期待していると、なぜか、奥の人物にフォーカスが合うことがあった。

これは、グループエリア枠内を走る人物は横向き、応援者はこちら向きのため顔が認識しやすく応援者の顔が認識されてしまう現象ではないかと思う。

そのような場面では、顔認識機能をOFFにすることにより、手前を走る人物にフォーカスを合わせることができる。

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Nikon D6、グループエリアAFが有能過ぎる件